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7月11日

今日はパパの命日。
あの日からもう30年がたつんだね。


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30年前のどしゃぶりの日曜日。
私は教会学校でイエス様にお祈りをしていた。

「主の祈り」の途中で叔母が突然礼拝堂に入ってきて、
私を連れてタクシーに乗った。

都心の病院までの1時間、叔母は一言も話をしなかった。
何か話すと泣き出してしまうかのように。
私は何も聞けずに窓をたたく雨とワイパーを眺めていた。

新緑に囲まれたレンガ造りの病院に着くと、
検査のために入院していたはずの父が
ベッドに横たわったまま動かなかった。

パパの側で呆然と座っていたママが
私たちの顔を見て泣いた。

ちょっと検査をしてくるだけだからね。
お見舞いなんて来なくていいんだよ。
じゃあね、いってきます。
前日、パパはそう言っていつものように出かけた。

何が起こったのか理解できなかった。
家族は誰ひとりパパにさよならが言えなかった。

病院から自宅へ向かうタクシーの中、
これから何が起こるのか全くわからず呆然としていた。
それから何が起こったのかもあまり覚えていない。

そして葬儀が終わりママと私たちだけになった。
私は教会学校に行かなくなった。

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あの日から30年がたった。

ママは3人の娘を一人で育ててくれた。
パパが亡くなった時、
ママは今の私より年下だったんだね。

泣きじゃくる私の横で
2歳年上の姉は絶対に涙を見せなかった。
「私はおねえちゃんだからママを支えなきゃ。」と言って。

ちいさかった妹は父親の死を理解できずに、
いつもの朝のようにパパを起こそうとして周囲の涙を誘った。

パパは41歳のままなのに
残された私たちはそれぞれ30歳年をとった。

きっとパパは天国で
精神的にいちばん成長してない私のことを
あきれた目で見ているんだろうなぁ・・・。
by january05th | 2006-07-11 23:47 | 日常
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